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[jfriends-ml 10284] 同期化/同期処理
(株)NETGENEの村山です.
> 最初の例でスレッドセーフにしたければ,プログラマーが自前で
> 同期処理を行うべきです.
> #ぶっちゃけた話,同期をMT-Safeなクラスや過剰な同期に頼るのは
> #二流プログラマーの証.
ひょっとして,マルチスレッドプログラミングの経験のある人と
ない人では,同期処理に対する意識が根本的に違うのかもしれ
ませんね.
例えば,
1,(逐次で)プログラムを作る.
2,その中でマルチスレッドで危険な個所を,「同期化」する.
3,実際に動くかどうか確認する.
という意識で作っている人はいませんか?
#いないというなら一安心.
マルチスレッドでは,むしろ,
1,マルチスレッド用にアルゴリズムとデータ構造を設計する.
(「同期処理」はアルゴリズムの一部.)
2,それを実装する.
3,実際に動かしてみて,実測値が理論値と合うか検証する.
という発想で作るべきですし,そうしないとまるでパフォーマンスが
出ない場合もあります.
#それこそ最悪ではデッドロック.
マルチスレッドプログラミングでは,同期処理というのは
アルゴリズムの根幹を成すものであり,最初に設計すべき
部分です.セキュリティでもそうですが,後付けでどうこう
できるものじゃないと思います.
#場合にもよるが「同期処理という骨組みに肉付けしていく」
#という感じに近い.
もちろん,実際にはさほど高度な同期処理を必要としない場合も
多々あります.例えばホームページを動的に生成するくらいならば,
それほどのパフォーマンスも必要ないし,もともと同期処理も少ない
ために設計は容易でしょう.また,既に逐次で動いているプログラム
を移植するので,できる限り書き換える部分を少なくしたいという
場合もあるでしょう.
このような場合でも「高度な同期は不要である」,「どのような
同期がどこに必要か」,「その同期がボトルネックにはなる心配は
ない」などは,設計の初期段階で前もって確認しておく必要があります.
同期を気にせずにプログラムを作成していると,実際にパフォーマンス
が出ないと気づいた時には,既に手遅れという可能性も高くなります.
最悪の場合はアルゴリズムから実装まで,全て作り直さす羽目に
なることさえ考えられます.
たとえば,シングルトンで一意性を保証したインスタンスへ頻繁に
アクセスするような場合などはこれですね.逐次ならさして問題は
無いものの,マルチスレッド(というよりは並列処理)では致命的な
ボトルネックになることもあります.この場合はシングルトンを
使わない形にアルゴリズムから書き直すことになるでしょう.
#こういう意識でプログラムを書いていると,MT-Safeなクラスや
#モジュールなんて,バカバカしくてまず使う気にならないと思う.