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[jfriends-ml 13488] 読書会会場確保( 5-6 月)
高橋(徹)@Java読書会BOF代表です。
読書会会場の確保状況をお知らせします。
5月14日(土) 09:00-17:00 高津市民館 第6会議室
6月25日(土) 09:00-17:00 高津市民館 第5会議室
今読んでいる本もあと2回(4月で読了)の予定です。
そろそろ、次の本を選ぶ時期になると思います。
そこで、最近出たJavaの本2冊について感想などを述べてみます。
「Java: The Good Parts」(オライリー)
著者のJim Waldo氏の名は、昔稚内北星大学サマースクール
(1999 Jiniセミナ)に行ったときに知りました。Jini仕様の
作成者です。Jiniは、プラグ&プレイ的な分散システムの技術で、
JavaのRMIをベースにした実装でした。また、Sun Labs.に入社
する前は、HP社でCORBA ORBの開発をしていたそうです。
アスキーから出版されていたUNIXマガジンで1999-2000頃に
「Java Advisor」という連載記事があり、Jim Waldo氏の記事も
数回掲載されていました。短いページながら深い内容が盛り込まれ、
かつ、読みやすい文体で、感心した覚えがあります。
やっと本題ですが、この本もページ数が200ページ弱とオライリー本
のなかではかなり薄い部類に入ります。しかし、そのページ数に盛り
こまれた内容は、型システム、例外、パッケージ、ガベージコレクション、
仮想マシン、Javadoc、コレクション、RMIとシリアライズ、並行処理、
ツール(IDE, JUnit, FindBugs)と、非常に濃いものとなっています。
先に述べた、簡潔で読みやすい文体で濃いエッセンスを書いているため、
かなり読み手を選ぶ本ではないかと思っています。書かれている対象技術の
背景知識を知らないと、問題意識がないため、エッセンスを消化できず、
「ふーん」と読み飛ばしてしまいます。
読書会向きかという観点では、複数の参加者がいるので、誰かが「気づき」を
して意見を述べて議論になる展開が期待できます。
ただ、Javaプログラマーでも所与のフレームワーク上でアプリケーション開発を
していると、本書がテーマにしている技術の大半は普段なかなか正面から取り組む
ことはないと思われるので、気づきの点では参加者の経験分野が広いとより議論が
活発になるでしょう。Java以外にもいろいろな言語の経験者がいると望ましいかも。
「Javaルールブック 読みやすく効率的なコードの原則」(技術評論社)
コーディング規約を書籍化したものです。内容は、もともとインターネットで無償
公開されている、「電通国際情報サービス版Javaコーディング規約2004」と、
それを書籍化した「超図解 Javaルールブック」(エクスメディア:2007年倒産)を
Java 2 SE 5.0(Tiger)で追加された言語仕様やライブラリや、その他いくつかの
見直しをして改訂したものです。
コーディング規約としては、だめなコード例とそれを修正したよいコード例が
ほとんどのルールに添えられているので、初心者がよいコードを書くにはどう
すればよいか、という点では得るものが多いのではと思います。(Effective Java
が読みこなせる段階の人には物足りないです)
つぎに、プロジェクトや組織でコーディング規約を作る人には、内容ではなく
表現方法で参考になります。
ルールについては、異論があるのもいくつかありますが、この本はルールを取捨
選択する前提なので、それでよいと思います。
読書会向きか、という点については、読者が限定されているので(コーディング
規約を学びたい/作りたい)、どうかなぁと思います。