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[jfriends-ml 12307] Re: 第4回議事録投稿
村山です.
> これはSWEBOKの誤解なのかと思います。SWEBOKは10の知識領域を章別に記載
> していますが、これが「ウォーターフォール」のように逐次的、別々に実行
> される工程であると解釈しているようです。設計とプログラミングを連続的
> に反復的に行っていてもSWEBOKの記述と相容れないということはないです。
でも「記述と相容れないということはない」ということをもって,
それが「アジャイル開発も包含する」と善意に解釈するのは極めて
危険ですよ.SWEBOK側でそういう主張は聞かれなくもないですが,
いかにも言い訳じみてます.
たとえ
「こういう解釈をしてもSWEBOKの記述と矛盾することはない.」
のが事実だとしても
「SWEBOKはそういう技術も前提として記述されている.」
ということは意味しません.
特に問題なのが,もしこれを許してしまうと,曖昧でどうとでも
解釈できるいい加減な記述をしておけば,あとでいくらでも拡大
解釈できてしまうという点です.
その文書を記述した時点ではアジャイル開発やその他の手法に
ついて何も考えていなくても,誰かが新技術を提案した後に,
後付けで
「私はそれを記述した時点で,将来的にアジャイル開発にも
拡張できるように考えていた.これは全てSWEBOKで説明できる.」
というような主張を(もちろん大嘘ですが)することが許されて
しまいます.
#サブマリン特許の常套手段ですね.
実際にアジャイル開発といえど従来のソフトウエア技術の延長に
あり,従来のソフトウエア技術を全部列挙していけばアジャイルを
構成する要素の大半(そしておそらく全てではない)は網羅されて
しまいます.
#平たく言って「下手な鉄砲も数打ちゃ当たる」わけです.
だからと言って,網羅しただけでは
「SWEBOKがアジャイル開発も対象としている.」
「アジャイル開発手法も包含している.」
ことの根拠にはなりません.